【学習ガイド】『真の特講』

『真の特講』は,基本的な手法を一通り学んだ後に,
  * 各手法を再確認し,定着を図ると同時に,それらを体系の中で位置付ける
  * その土台の上で,初見の問題の解法を選択できるようになる
ためのものです.

この教材には,原子物理を除く高校物理の全範囲の問題を,入試問題の解法を選択する上で必要となる考え方を網羅するように並べてあり,これらの問題を扱うことで,自然な形で前述の目標が具象化されるようにしてあります.不必要な誘導が省いてあるため,難しく感じられるかもしれません.しかし,すべて基礎的な考えに基づいた問題であり,余計な設問を省いて,効率的・効果的に勉強が進むように設計してあります.また,設定や問題文を出来る限りシンプルにすることで,物理の理論そのものの理解を問い,「問題文の読解」に余計な力を割かなくてよいように配慮してあります.

取り組む時期については,A のついたセクションが夏,B のついたセクションが秋~冬頃をひとつの目安としてください.もちろん余力がある方は,自分のペースで先に進んで構いません.

予習の際には,時間無制限で問題に向き合ってみてください.ただし,20 分程度かけても歯が立たない場合には,それ以上無理に考え続ける必要はありません.問題を解いた後,問題の最後尾に《指示》がついている問題に関しては,そちらにも従ってみてください.

次に,ページをめくると,《解答》の前に《方針》があります.これは,解法を決定する際の思考プロセスを示したものです.自力で解けなかった問題も,この《方針》を読んで,もう一度取り組んでみて下さい.それも済んだら最後に,《解答》を読み,解けなかった所・解答を読んでも分からなかった所を洗い出しておくこと.なお,問題文をよく読んで(出来れば音読し),ノートに図を描きながら考えることを忘れずに(一部の問題の図は敢えて省略してあります.文章から状況を図示する訓練もまた大切)!

物理の土台となる力学.その力学の土台となる部分を扱います.優先的に取り組んで欲しい部分です.

1. 滑車とばね

2. ベルトコンベア上の物体の運動

3. クーロン力を受ける物体の運動

4. 天体の運動

5. 斜面と壁に挟まれた物体

6. 半円状の曲面を持つ台

7. 三角台と小球の衝突

浮力や剛体など力学の中でも後回しにしてもよい部分を扱います.ある程度の実力がついてから取り組むべき部分でもあるので,焦らずに取り組んでください.

8. 浮力を受けた物体の運動

9. 渦巻き運動

10. ばねで連結された2物体の運動

11. 棒で連結された2物体の運動

12. 円板の回転運動

熱力学の根幹をなす部分を扱います.基本と例外に対応する1と2は特に優先して取り組んでください.

1. ばねつきピストンで封入された気体

2. 気体ばね

3. カルノーサイクル

4. 気体分子運動論

5. 気体の密度勾配

6. 液体と接する気体の熱現象

7. ひも状物体の熱力学

電磁気の中でも電気分野を扱います.入試では出来の悪い分野ですが,体系的に扱うことで得点源にすることができます.

1. 2つの点電荷の作る電場中での点電荷の運動

2. 帯電球内部での運動

3. 太陽電池

4. コンデンサーとダイオードからなる回路

5. はく検電器

6. コンデンサーの充電・放電

7. 3枚の金属板

8. 誘電体の受ける力

電磁気の中の磁気分野を扱います.電磁気Aのセクションをしっかりと身につけた上で取り組んでください.

9. 電磁場中の電子の運動

10. 静磁場中の正弦波形レール上を動く導体棒

11. 円形導線の近くで動く磁石

12. ソレノイド内に生じる誘導電場

13. 変圧器

波動分野でも力学的波動の部分を扱います.

1. 疎密波

2. 弦の固有振動

3. 流れのある液体中の音波

波動分野でも光波の部分を扱います.

4. プリズムによる光の屈折

5. 球形レンズ

6. 複数の波源からの波の干渉

7. フレネルの輪帯板

8. 単スリットによる光の回折

『真の特講I』~力学A&熱力学A~

* 今まで受けたどんな物理の授業よりも体系的だった.
* なぜその方法がとれないのか/その方法をとるのかをしっかり説明してもらえるので,納得して進めて良かったです.
* 物理をこんなに体系的に教わったことがなかったので,この科目に大いなる希望を見出せました.
* 力学・熱のポイントが凝縮されていて素晴らしかった.束縛条件や座標系の乗り換え,仕事の怪しかったところも解消されてよかった.

『真の特講II』~電磁気A・波動論A~

* こんなに面白い電気の授業があると思わなかったです.
* どういう理由からその解法になるのかがハッキリとしました.
* 今までコンデンサーはどの参考書でも読んでも明確な理解ができたとは言いづらいと感じていましたが,今までよりも深い理解ができたと思います.
* 問題の難易度は今まで解いてきたものに比べてかなり難しく,予習では全く解けないものもありましたが,授業では基本からやるので,すぐに理解でき, あまり難しいと思わずに解けるようになりました.
* マイケルソン干渉計から重力波に至るまでの話が特に面白かったです.

『真の特講III』~力学B&熱力学B&電磁気B&波動論B~

* はじめて見るような問題が多くて楽しかったです.
* 初見の問題に対して,基本的な知識をどのように使ってアプローチすべきか,分かりやすかった.
* 入試問題の解法パターンが整理されていて,必要な定石を一気に確認することができ,頭の中がすっきりしました.
* 一年を通して,初見の問題でも条件を読み取って自分の持っている手札の中から選べば必ず解けると思えるようになりました.
* 某予備校の通年授業より,夏・冬の真の特講の方が内容が濃かった