◆ 共テ物理の全体像
共テ物理の本質
- センター物理より2次学力寄りの試験に変化
- 難関大で出題されてもおかしくないテーマが増加
- 現象理解の深さ・思考力(解法判断力)がより重視される
- 解法の判断のみを問うような問題も多く出題
- 一方で,計算量は軽く時間的余裕はある
- 実験・探究の問題が増えるなど文章量は増加したが,見かけ上の変化に振り回されないことが大事
難関大受験生へ
- 2次学力が充分なら,短期間で対策完了しやすい
- ケアレスミスの防止・共テ特有のポイント対策+過去問演習で充分
標準的な受験生へ
- 国公立2次・私大と同レベルのため甘くみていると焦りやすい
- 共テで得点できる力=2次でも通用する力 と考え,基礎学力を着実に固めるべき
- 本番では,難問に時間をかけすぎず,飛ばす判断も場合によっては必要
- 幅広い難易度の設問があるため,高難易度の設問に拘りすぎない
- 実は難問ほど選択肢が少なく,偶然正解の確率が高い傾向がある
※ 共テ物理は,センター物理より総体的な難易度が上がっています.ではなぜ,平均点が大きく下がったりしないのでしょうか?それは,難しい設問ほど選択肢の数を絞っている(偶然当たる確率を上げている),というカラクリがあります.最近は選択肢の数が増えつつありますが,それでもすぐに少数の候補に絞れるように作ってあったりします.
◆ 共テ物理で特に注意したいこと
ケアレスミス対策
思わぬ失点をするパターンは次の3つに大別できます.
- イメージに囚われるタイプ
- 定性問題やグラフ選択で,選択肢を見て「なんとなく」選んでしまう
- 選択肢を見る前に式で考えること
- 複数条件を連立するタイプ
- 設問1つに式1本で解ける問題に慣れすぎていると,複数の法則を組み合わせる問題でフリーズする
- 普段から必要な式をすべて立てる思考法を身につけておく
- 頻出問題に似ているが異なるタイプ
- 「見たことある」という安心感が思い込みを生む
- 知っている問題でもイチから計算する
共通する対策は,選択肢を見て選ぶのではなく,記述式のつもりで立式することです.
問題文の読み方
- 図を見るだけでどのような問題か推測できてしまうことも多いが,思い込みによる勘違いに注意
- 問題文が煩雑化しているが,大事なことは「要は○○の問題である」と見抜くこと
- 現実の現象を素材として取り上げる,仮説や実験を取り上げる,会話形式にするなど読みづらい問題が増加
- 余計な文章を軽く読み流して,「これは全反射の問題だ」とか「要は電磁誘導について問うている」などと思えれば,普通の問題と同じになる
- つまり,余計な情報を捨象し,要は何を聞いているのか,その物理現象の本質と対応する法則は何か,と考える
- どのような典型問題と対応するのかという考え方も有効
選択肢の読み方
- 選択肢に引っ張られて「これっぽいな」という予断で間違えがち.軽く眺める程度がよい
- 特に,文字式の問題では,使って良い文字のチェック程度に
- この文字の組み合わせは運動量保存ぽいな…というような読み方は誤り
- 数値計算では,どの程度正確に計算すればよいのか選択肢から判断し,計算が簡略化できることがある
- 不安な場合は桁数多めで計算すればよい
- 文章選択問題では,読み込みすぎると騙されるので注意
- 正しいものを選ぶのと誤っているものを選ぶのは取り違えやすい
- 複数の内容の正誤の組み合わせを表から選ぶ問題でマークミスしやすい
- 正誤問題はマーク前にもう一度確認するのがよい
実験などのデータ処理の問題
- まず,データが従う法則・式を書きくだすのが基本
- グラフからの読み取りでは,値そのものを読む他に,傾きと面積を読みとることがある
- その際に近似を行うこともある
- グラフからいきなり情報を読み取ろうとせず,どんな関係式を表すグラフなのかを考え,対応する式を立式することが先決
定性的な問題
- 記述式問題と同じように定量的に,つまり具体的な式を書いて考えることが大事
- 必要に応じて自分で文字を置いて計算する必要がある
- どうしてもイメージしなければならないときには,極端な状況を考えるのがコツ
現象理解を問う問題
- その現象で成り立つ法則を問われたり,公式の導出を問うような問題も出題される
- 誘導に従う練習ばかりの受験生には厳しい
- 法則の成立条件や導出過程,解法判断の際の思考法を普段からきちんと学んでおくべき
- これも選択肢に惑わされる場合が多いので注意
部分と全体
- どの部分を系と見るかにより,計算の速さが変わる問題がよく出題されている
- 時間には比較的余裕があるので,いざとなれば部分ごとに考えてしまえばよい
誤差の問題
- 誤差(絶対誤差)=測定値ー真の値
- 相対誤差=絶対誤差/真の値(or測定値)×100%
- 系統誤差 (systematic error) :理論の不備,測定器具の不備,測定者の癖による
- 偶然誤差 (Random error) :ランダムに起こる
- 測定器を利用して物理量を測定する場合,最小目盛りの1/10まで読む
- 有効数字の計算の仕方も念のため押さえておく
- 測定値$X$から他の量$Y=f(X)$を求める際に,$X$の誤差がどのように$Y$に波及するか
電磁気分野と原子物理分野について
- 電磁気分野と原子物理分野は学習が追いついていない受験生が多く,正答率が低くなりがち
- 原子物理分野も必ず出題されるが,最低限の典型問題が理解できていれば解ける問題しか出ていない
◆ 予想問題への取り組みについて
過去問演習が済んだ後は(もしくは並行して),各社が販売している予想問題に取り組む方も多いでしょう.ただし,クオリティにブレがあるため(実際の共テと比べて作問にそこまでの労力をかけられていない),学習効率が高くないと感じます.実践慣れという意味で取り組むことはよいと思いますが,傾向の偏りを防ぐため,複数の団体のものに取り組むのがオススメです.
※ どうしても会社ごとの「色」が出てしまうため,特定の会社のものに偏らないことが必要に感じます.
※ 基礎学力が低い場合,予想問題のようなものにくり返し取り組んでも,基礎が身に付かないまま時間を浪費するので,注意してください.
◆ 対策講座
本記事の内容に沿って,効果的に共テ物理対策を行い,2次力まで底上げできる講座『共テ物理ラストスパート』を用意しています.学習方針に悩んでいる受験生は,ぜひ活用してください!
【旧資料】センター物理の正答率
2015年〜2020年のセンター物理(本試),および共通テスト物理H30試行調査の正答一覧です.付した色は次の意味です.
無色:高正答率 緑:やや注意 黄:注意 赤:危険
7割〜8割程度を目標とする方は,無色〜緑で誤ってしまった所を重点的に復習しましょう.逆に高得点を狙う方は,黄〜赤を要チェック!






