【内容紹介】熱力学の集中講義・補講・FNDs+

【FNDs+】熱力学の核心

◆色々な状態変化

◆温度と熱について

【集中講義】気体分子運動論

気体分子運動論の単元は,通常の熱力学のカリキュラムの流れの中では収まりが悪いこともあり,入試物理集中講義シリーズの中で取り上げることにしました.本講義では,最も基礎的な知識の説明からはじめ,応用的~発展的な入試問題まで扱います.

《最低限のことだけ学びたい方は》

はじめに,直方体容器,球形容器のセクションで最低限のことは学べるようになっています.余力が無ければ,体積が変化する部分は割愛してもよいでしょう.

《標準的な受験生の方は》

まずは,[基本編]をひととおり受講し,同内容の問題を解いて定着を確認してください.その後,[応用編]の光子気体や重力による密度勾配のセクションで応用的な考え方に触れてみましょう.

《既に基本は身についたという方は》

早送りで構いませんので,是非,[基本編]の内容も確認してみてください.その後,[応用編],[発展編]から興味のあるテーマに取り組んでみましょう.

[基本編]

◆はじめに

気体分子運動論の考え方の基本について紹介する.

◆直方体容器

直方体容器に封入された理想気体を分子運動論的に考察する.最も典型的な問題設定で,入試でも頻出.体積一定の場合の考察により,温度と内部エネルギーをミクロな視点で解釈し,また,体積変化の場合の考察により,エネルギー収支についてミクロな視点から理解する.

◆球形容器

球形容器に封入された理想気体を分子運動論的に考察する.直方体容器の場合の理解を土台に,同じように理解できるとよい.

※ 球形容器(体積変化あり)の難関大での出題例として,2006年・京都大,2019年・北海道大などがある.

◆エネルギー等分配則*

入試範囲には含まれないが,教科書が発展項目扱いでとりあげていることもあるエネルギー等分配則について簡単に紹介する.

[発展編]

◆光子気体*

光子の集団からなる気体 (photon gas) について考察する.高校物理で議論できることは少ないが,出題例はそこそこ存在する.

※ 出題例は,2003年埼玉大など.近年では,立教大,明治大,金沢大で出題されている.

◆重力による密度勾配*

重力の効果を考慮する.

※ 近年では,岐阜大などで出題されている.

◆スペクトルのゆらぎ*

気体分子は熱運動しているため,分子が出す光はドップラー効果によりゆらぐ.そのことを扱う.

※ 2005年・早稲田大では,直方体容器(体積変化あり)→気体の噴出→スペクトルのゆらぎの考察という流れで出題された.他での出題例を筆者は知らない.

◆速度の色々な平均**

入試物理での速度の平均といえば,通常は二乗平均速度を用いるが,速さ(速度の絶対値)の平均や,速度成分の平均などについて紹介する.ほとんどの説明が入試範囲を越えるので,参考程度に捉えてもらえれば.

◆平均自由行程*

平均自由行程(ある分子が他の分子と衝突してから再び衝突するまでの平均の飛行距離)について説明する.

※ 例えば,1998年・京都大後期では,1次元の気体の考察の後に平均自由行程について論じる.平均自由行程を取り上げる問題自体は,そこそこ存在している.

◆気体の噴出*

理想気体を閉じ込めた容器に小孔を開けたときに噴出する気体について論じる.

※ 出題例は多くはないが,例えば,2017年・大阪市立大がある.

◆熱伝導**

気体の熱伝導率について考察する.

※ 2001年・東京大後期では,基本的な直方体容器の復習→平均自由行程→熱伝導の考察という流れで出題された.同内容の他での出題例を筆者は知らない.

【資料】近年の有名大での出題一覧

2020年度~2022年度入試での出題例をまとめました.

※ 旺文社『全国大学入試問題正解・物理』などで筆者が確認できたものに限ります.

【集中講義】流体の圧力・浮力・気球と浮沈子

高校教科書では早い段階で登場するものの,受験生の理解度が低い単元である「流体の圧力」と「浮力」について扱う.また,入試で意外と出題されるもののとっつきにくいテーマとされている「気球」の問題について解法を整理し,ついでに「浮沈子」についても解説する.力学・熱力学の根幹となる部分の基礎がある程度身についた段階で取り組んで欲しい.

[流体の圧力]

◆液体の圧力分布

◆液体に流れがある場合**

◆気体の圧力分布*

[浮力]

◆アルキメデスの原理

◆諸々

◆浮力を受ける物体(力学)*

◆浮力を受ける物体(熱力学)*

[気球と浮沈子]

◆はじめに~とある問題

◆気球が浮く条件

◆風船が浮く条件

◆浮沈子

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