【入試物理の思考地図】電磁気の解法フロー
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図:電磁気の問題を,電磁場・回路・電磁誘導の3つの入口から整理した思考地図です.
【電磁気の問題分類】
Ⅰ.電場・磁場中の電荷の運動
- 電場・磁場の決定は,後述の通り.
- 既知の電磁場中での電荷の運動は,単に力学の問題と捉える.
Ⅱ.回路の状態の決定+エネルギー収支
- 回路の状態は,素子の性質・電荷保存則・キルヒホッフ則により一意に決定できる(詳細後述).
- 回路の状態を決定した上で,各素子の役割を把握し,エネルギー収支を考察する(詳細後述).
Ⅲ.電磁誘導
- 「誘導起電力の決定⇒回路と力学系の法則の連立⇒エネルギー収支の考察」の流れ(詳細後述).
電磁場
電場の求め方
- 点電荷系:電場(および電位)の定義に従って求める.
- 拡がった電荷分布:電気力線の作図から求める.
- 電位分布が既知の場合:電場と電位の関係を用いる.
- 誘導電場:ファラデイ則で求めた誘導起電力から逆算する.
磁場の求め方
- 電流の作る磁場の公式から求める.
回路の問題
回路の状態の決定
- 未知の回路素子があれば,問題文より特性を把握する.
- 各回路素子における電流・電荷と電圧の関係を図示する.
- 電荷保存則・キルヒホッフ則を連立する.
※ 電池・抵抗・コンデンサ・コイルの性質は既知としておく.
※ 未知素子の特性がグラフで与えられた場合,キルヒホッフ則との連立をグラフ上で行う(交点を求める)のが定石.
回路のエネルギー収支
- 各回路素子のエネルギー的な役割を把握する.
- 回路のエネルギー収支の具体形:
$$ \Delta\left(U_C+U_L\right)+J=W_B+W_{\mathrm{ex}} $$
- 求めづらい量をエネルギー収支から逆算することが多い.
※ コンデンサの静電エネルギー $U_C$,コイルの蓄えているエネルギー $U_L$,抵抗で生じたジュール熱 $J$,電源のした仕事 $W_B$,外部から加わった仕事 $W_{\mathrm{ex}}$ と記す.
交流回路
- 回路の状態の決定は,直流回路と変わらない(いくつかの暗黙の了解を押さえておく).
- リアクタンス,位相のズレなどは暗記せず,読み取れるようにしておく.
- エネルギー収支については時間平均が問われることも多い.
※ あまり複雑な回路は出ないので,解きやすい.ただし,電源電圧を与えて回路の状態を決定する素直な流れより,パズル的な設問も多い(回路の一部分の電流が与えられて他の部分の電圧を求めるなど).
※ コイルとコンデンサは時間平均ではエネルギーを消費しない.
電磁誘導
誘導起電力の決定
- 回路(の一部)が動く:「$vB\ell$ 公式」で充分(必要に応じてファラデイ則).
- 磁場自体が時間変化する:ファラデイ則を用いる他ない.
全体の流れ
- 誘導起電力を決定する.
- 回路の状態の決定方程式を書く.
- 回路・磁石など動く部分の運動方程式を立てる.
- エネルギーの変換を議論する.
電磁誘導のエネルギー収支
- 磁場を介して力学系のエネルギーと回路のエネルギーが互いに変換する.
- 全体で見れば,磁場自体は仕事をしない.
※ 力学系には電磁力の仕事が加わり,回路には誘導起電力の仕事が加わる.これらの仕事が相殺するため,全体では磁場を介したエネルギーの変換と解釈できる.