情報Ⅰ

第10章 情報セキュリティ

情報を守る技術と考え方.重要用語26語を1つずつ確認できます.

セキュリティの考え方

情報セキュリティ

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情報や情報システムを,事故,災害,犯罪などの脅威から守り,安全に利用できる状態を保つこと.

補足

  • 守る対象は「データ」だけでなく,端末,ネットワーク,人の行動も含む.機密性・完全性・可用性(CIA)で説明できる.

具体例

  • 不正アクセス対策,データの暗号化,バックアップ,ウイルス対策,アクセス権の設定.
情報セキュリティの図解

情報セキュリティポリシー

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組織が情報を安全に扱うために定める方針やルールの体系.

補足

  • 目的,守る範囲,責任者,具体的な運用ルール(パスワード規則,持ち出し禁止など)を明確にする.

具体例

  • パスワードの複雑さ要件,USBメモリの利用禁止,社外端末の接続条件,持ち出し時の暗号化義務.
情報セキュリティポリシーの図解

許可された人だけが情報にアクセスできる性質.

補足

  • 漏えいを防ぐ観点.アクセス権管理,認証,暗号化が代表的な手段.

具体例

  • 成績データを担任だけが閲覧できるようにする,通信を暗号化して盗み見を防ぐ.
機密性の図解

情報が正確で,改ざんや破壊がされていない性質.

補足

  • 改ざん検知や正当性確認が重要.ハッシュ,デジタル署名,更新履歴管理などが関係する.

具体例

  • 提出レポートが途中で書き換えられていないことを確認する,送金データの改ざんを検知する.
完全性の図解

必要なときに,必要な人が情報やシステムを利用できる性質.

補足

  • 停止や障害,攻撃(大量アクセスなど)への備えが必要.冗長化,バックアップ,復旧計画が有効.

具体例

  • サーバ故障に備えて予備機を用意する,重要データを定期的にバックアップする.
可用性の図解

認証と暗号

利用者が本人であることを確認する仕組み.

補足

  • 知識情報(パスワード),所持情報(ICカード),生体情報(指紋)などを組み合わせると強くなる(多要素認証).

具体例

  • IDとパスワードでログイン,スマホの認証アプリで追加確認.
認証の図解

利用者を識別するための文字列(アカウント名).

補足

  • ユーザIDは「誰か」を示し,パスワードは「本人か」を確かめる要素.他人に推測されやすいID設計にも注意.

具体例

  • 学籍番号ID,社員番号ID,メールアドレスをIDとして利用.
ユーザIDの図解

パスワード

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本人確認のために用いる秘密の文字列.

補足

  • 短い,単純,同じ使い回しは危険.長く複雑にし,推測されにくいものを使う.

具体例

  • 辞書にある単語だけのパスワードは避ける,サービスごとに別のパスワードを設定する.
パスワードの図解

生体認証

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指紋,顔,虹彩,声などの身体的特徴で本人確認を行う方法.

補足

  • 覚える必要がない一方,完全に同じ値を再現できないため誤認識が起きうる.漏えいすると変更が難しい点にも注意.

具体例

  • スマホの指紋認証,顔認証でロック解除.
生体認証の図解

第三者に内容が読まれないように,情報を規則に従って変換すること.

補足

  • 復元には鍵が必要.通信中の盗み見対策や,紛失端末の情報漏えい対策に有効.

具体例

  • Web通信の暗号化,PCのディスク暗号化,メール本文の暗号化.
暗号化の図解

暗号化されていない,そのまま読める元の文やデータ.

補足

  • 平文のまま送ると盗み見で内容が漏れる危険が高い.暗号化は平文を暗号文に変換する操作.

具体例

  • パスワードを平文で保存してしまい,流出時にそのまま悪用される.
平文の図解

デジタル署名

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電子データに付ける「署名」で,改ざんされていないこと(完全性)と,送信者が本人であること(真正性)を確認する技術.

補足

  • 「暗号化=秘密にする」「署名=正しさと本人性を示す」で役割が違う.

具体例

  • ソフトウェア配布元が正規であることの確認,電子契約の本人確認と改ざん検知.
デジタル署名の図解

電子透かし

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画像や音声などに,見えにくい形で著作権情報や識別情報を埋め込む技術.

補足

  • コピーされても情報が残りやすく,違法複製の抑止や出所追跡に使われる.

具体例

  • 配布画像に購入者IDを埋め込み,流出元を特定する.
電子透かしの図解

対策

ファイアウォール

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ネットワークの出入り口で通信を監視し,不正な通信を遮断する仕組み.

補足

  • 許可する通信だけを通す設定が重要.外部からの侵入だけでなく,内部から外部への不正通信の抑止にも使う.

具体例

  • 特定のポートへのアクセスを拒否する,社内ネットワークへの外部接続を制限する.
ファイアウォールの図解

コンピュータウイルス

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他のプログラムに寄生して増殖し,破壊や情報漏えいなどの被害を与える不正プログラム.

補足

  • 感染経路は添付ファイル,USB,危険なWebサイトなど多様.被害はデータ破壊だけでなく情報窃取もある.

具体例

  • メール添付を開いて感染し,勝手にファイルを改ざんされる.
コンピュータウイルスの図解

他のプログラムに寄生せず,ネットワークを通じて自分だけで拡散する不正プログラム.

補足

  • 拡散が速く,大量感染でネットワークが混雑しサービス停止につながることがある.

具体例

  • 脆弱性を突いて社内PCに連鎖的に感染し,通信が遅くなる.
ワームの図解

ウイルス対策ソフトウェア

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不正プログラムを検知,隔離,削除するためのソフトウェア.

補足

  • 定義ファイルの更新が重要.未知の脅威に備える仕組み(振る舞い検知など)もあるが万能ではない.

具体例

  • ダウンロードしたファイルを自動スキャンする,感染ファイルを隔離する.
ウイルス対策ソフトウェアの図解

セキュリティアップデート

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OSやアプリの脆弱性を修正する更新プログラム.

補足

  • 脆弱性を放置すると攻撃に悪用されやすい.更新を先延ばしにすると被害リスクが上がる.

具体例

  • OS更新を怠り,既知の弱点を突かれて不正侵入される.
セキュリティアップデートの図解

ファイル交換ソフトウェア

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ネットワーク上でファイルをやり取りするためのソフトウェアで,利用者同士が直接交換する方式もある.

補足

  • 便利だが,著作権侵害や,設定ミスによる公開範囲の拡大,マルウェア拡散の温床になる場合がある.

具体例

  • 共有設定の誤りで個人フォルダが公開される,交換ファイルにウイルスが混入する.
ファイル交換ソフトウェアの図解

その他の重要語

情報漏えい

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保有している個人情報や機密情報が,外部に流出したり第三者に知られたりすること.「情報漏洩」とも書く.

補足

  • 原因は,不正アクセスやマルウェアなどの外部要因だけでなく,記録媒体の紛失・置き忘れ,宛先の誤り,設定ミス,持ち出しといった人的要因も多い.事業者には,被害拡大の防止や原因調査などの対応が求められ,個人データの漏えい等が法令で定める条件に該当する場合は,個人情報保護委員会等への報告や,原則として本人への通知が必要になる.対策は技術的対策と,規程・教育などの運用面の対策の両輪で考える.

具体例

  • 顧客名簿の入ったUSBメモリの紛失,メールの宛先をBCCにせず一斉送信,クラウドの公開設定の誤り.

スパイウェア

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利用者に気づかれないようにコンピュータの中で動作し,個人情報や利用状況を集めて外部へ送信するマルウェア.

補足

  • 利用者の情報をひそかに収集する機能に着目した呼び方である.ウイルスやワームにも情報を盗む機能を持つものがあり,これらの分類は重なることがある.無料ソフトに同こんされて入り込むことがある.

具体例

  • 閲覧したサイトの記録を勝手に送信する,入力したIDとパスワードを外部へ送る.

キーロガー

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キーボードで入力した内容を記録するプログラムや装置.

補足

  • 悪用されると,入力したIDやパスワード,クレジットカード番号がそのまま漏れるため被害が大きい.利用者に無断で入力情報を収集するソフトウェア型のものは,スパイウェアの一種として扱われる.公共のコンピュータでの入力に注意する.

具体例

  • 共用パソコンに仕込まれ,入力したパスワードが盗まれる.

クラッキング

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他人のコンピュータやネットワークに不正に侵入し,データを盗む・改ざんする・破壊するなどの悪意ある行為.

補足

  • 「不正アクセス」とほぼ重なる行為を指し,不正アクセス禁止法の対象になり得る.技術的な探究を指す「ハッキング」と区別して使われることが多い.

具体例

  • 他人のIDとパスワードでサーバに侵入してデータを書き換える.

セキュリティホール

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ソフトウェアの設計や作り込みの不具合によって生じる,安全上の弱点となる部分.脆弱性ともいう.

補足

  • 放置すると不正侵入やマルウェア感染の入り口になる.セキュリティアップデート(更新プログラム)の適用が基本的な対策.

具体例

  • OSの弱点を突かれて外部から操作される,更新を怠ったアプリから侵入される.

アカウント

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利用者ごとに与えられる,情報システムを利用する権利とその利用者情報のまとまり.

補足

  • ユーザIDで「誰か」を識別し,パスワードなどで「本人か」を確かめる.利用を始める操作がサインイン(ログイン),終える操作がサインアウト(ログアウト).複数人で共有すると,操作履歴が残っていても,実際に誰が操作したのかを特定しにくくなる.

具体例

  • 学校で一人ずつ配られる学習用アカウント,SNSのアカウント.

インターネットの通信を暗号化し,通信相手が本物かどうかも確認できるようにする仕組み(プロトコル).

補足

  • TLSはSSLを基に改良された後継のプロトコルで,現在使われているのはTLS.慣用的に「SSL/TLS」とまとめて呼ぶ.HTTPをこれで保護した通信がHTTPS.

具体例

  • HTTPSのWebページで入力した内容が暗号文で送られる,電子証明書でサーバを確認する.