情報Ⅰ

第1章 情報社会と情報モラル・法規

情報による問題解決の前提.重要用語58語を1つずつ確認できます.

情報・メディア・リテラシー

目的や判断に役立つように,意味づけされた内容.データ(事実の断片)とは区別される.

補足

  • データ→情報→知識の流れを意識する.情報の質(正確性,最新性,客観性,完全性,目的適合性)が重要.

具体例

  • 天気予報,ニュース記事,統計結果,地図,マニュアル,SNS投稿
情報の図解

メディア

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情報を伝達・記録・共有するための媒体や手段の総称.

補足

  • 紙のような物理媒体だけでなく,放送やインターネットなどの仕組みも含む.口コミのように人が媒介になる場合もある.

具体例

  • 新聞,テレビ,ラジオ,書籍,ポスター,Webサイト,SNS,メール
メディアの図解

情報メディア

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情報を収集・処理・保存・伝達・提示するためのメディア.特に情報技術と結びつく文脈で用いられることが多い.

補足

  • コンピュータやネットワークと組み合わさることで,高速性,検索性,複製の容易さ,双方向性などの特徴が生まれる.同じ内容でもメディアが違うと伝わり方が変わる.

具体例

  • Web,SNS,動画配信,クラウド,電子掲示板,オンライン会議
情報メディアの図解

マスメディア

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不特定多数(mass)に向けて情報を発信するメディア.

補足

  • 新聞・テレビ・ラジオ・雑誌が代表例.編集や取材,放送枠などの制約があり,情報の選択(ゲートキーピング)が起きる.受信者は基本的に受け手になりやすい.

具体例

  • ニュース番組,新聞記事,ラジオ放送,雑誌特集
マスメディアの図解

マルチメディア

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文字・画像・音声・動画など,複数の表現手段を組み合わせて情報を扱うこと.

補足

  • 複数の要素を統合できるため理解を助ける場合がある一方,盛り込みすぎると逆に理解を妨げることもある.デジタル化により統合・編集・配信が容易になった.

具体例

  • 字幕付き解説動画,図と音声を使うWeb教材,インタラクティブな地図
マルチメディアの図解

メディアリテラシー

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メディアから情報を受け取り,読み解き,評価し,適切に活用・発信する力.

補足

  • 発信者(誰が),根拠(何に基づく),目的(何のため),偏り(バイアス),文脈(切り抜きや誤解)を確認する.発信時は著作権,肖像権,個人情報,誹謗中傷など責任も伴う.

具体例

  • SNS投稿を複数の情報源で確認する,グラフの軸や母集団を確かめる,広告の意図を見抜く
メディアリテラシーの図解

情報モラル

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情報社会で,他者や社会に配慮し,ルールやマナーを守って情報を扱うための考え方・態度.

補足

  • 法律(著作権,個人情報保護,不正アクセス禁止等)だけでなく,迷惑行為や誹謗中傷の回避など倫理面も含む.「発信の責任」と「受信時の批判的思考」が両方重要.

具体例

  • 引用のルールを守る,個人情報を不用意に投稿しない,デマを拡散しない
情報モラルの図解

情報モラル・ネット上のリスク

フィルタリング

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不適切なWebサイトや有害情報へのアクセスを制限する仕組み.

補足

  • 家庭や学校での安全対策として使われる.一方で,有益な情報まで遮断される可能性もあるため,設定の目的と範囲の理解が必要.

具体例

  • 青少年向け端末で成人向けサイトをブロックする,学校のネットワークで特定カテゴリを閲覧不可にする.
フィルタリングの図解

SNS等で投稿が批判や非難を大量に集め,短時間で拡散して大きな騒動になること.

補足

  • 言葉選びや文脈不足(切り抜き),誤解,過去投稿の掘り起こしが原因になりやすい.一度拡散すると回収が困難で,個人特定や誹謗中傷に発展する危険がある.

具体例

  • 不用意な発言が拡散され,批判コメントが殺到し,ニュース化する.
炎上の図解

フェイクニュース

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事実ではない内容を,ニュースのように見せて広める情報(誤情報・偽情報の一形態).

補足

  • 意図せず広まる誤情報(misinformation)と,だます意図がある偽情報(disinformation)を区別すると理解しやすい.出所,根拠,一次情報,複数ソース一致を確認する.

具体例

  • 偽の災害情報が拡散される,存在しない発言や統計が「報道」風に投稿される.
フェイクニュースの図解

デジタルデバイド

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ICTを利用できる人とできない人の間に生じる格差.

補足

  • 端末や回線の有無だけでなく,知識・技能(情報リテラシー),年齢,地域,障害の有無などでも差が生まれる.行政手続きのオンライン化などで影響が大きくなる.

具体例

  • オンライン授業に参加できる家庭とできない家庭の差,高齢者が電子申請を使いにくい.
デジタルデバイドの図解

VDT(Visual Display Terminal,ディスプレイ機器)を長時間使用することで起きる健康障害の総称.

補足

  • 眼精疲労,ドライアイ,肩こり,首・腰の痛みなどが起こりやすい.姿勢,画面距離,照明,休憩(定期的に視線を遠くへ)などの対策が重要.

具体例

  • 長時間のPC作業で目が痛い,肩こりがひどくなる,頭痛が出る.
VDT障害の図解

テクノストレス

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ICT機器やシステムの利用によって生じる精神的・身体的なストレス.

補足

  • 操作が難しい,常に連絡が来る,変化が速い,不具合対応に追われる,などが要因.使い方の習熟だけでなく,通知管理や休息,役割分担も対策になる.

具体例

  • チャット通知が気になって休めない,新システム導入で不安が強い.
テクノストレスの図解

ネット依存

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インターネットの利用を自分でコントロールできず,生活や健康,人間関係に支障が出る状態.

補足

  • 長時間利用そのものよりも,学業・仕事・睡眠・対人関係が崩れるかが問題.ゲーム,SNS,動画視聴などで起こり得る.

具体例

  • 夜更かしが続いて欠席が増える,利用をやめたくてもやめられない.
ネット依存の図解

サイバー犯罪

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コンピュータやネットワークを利用して行われる犯罪の総称.

補足

  • 不正アクセス,詐欺(フィッシング等),マルウェア配布,個人情報の窃取,業務妨害など多様.パスワード管理,多要素認証,不審リンク回避,更新の徹底が基本対策.

具体例

  • フィッシングでIDとパスワードを盗む,ランサムウェアでデータを暗号化して金銭を要求する.
サイバー犯罪の図解

サイバー空間

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インターネットやネットワーク上に形成される,情報がやり取りされる仮想的な空間.

補足

  • 現実社会と強く結びついており,匿名性や距離の影響でトラブルが起きやすい.サイバー犯罪や情報拡散,プライバシー侵害などのリスク管理が必要.

具体例

  • SNS,オンラインゲーム,電子商取引,クラウドサービス上での活動全般.
サイバー空間の図解

個人情報・位置情報・SNS

個人情報

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特定の個人を識別できる情報,または他の情報と組み合わせて個人を特定できる情報.

補足

  • 氏名や住所だけでなく,メールアドレス,電話番号,顔写真,生年月日,学籍番号なども含まれる.単体で特定できなくても,複数の情報の組合せで特定されることがある(特定性).取り扱いには目的の明確化,最小限の収集,安全管理が重要.

具体例

  • 名簿の氏名・住所,学校のID,SNSのプロフィール+投稿履歴からの特定.
個人情報の図解

要配慮個人情報

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人種,信条,社会的身分,病歴,犯罪の経歴,犯罪により害を被った事実など,本人への不当な差別や偏見が生じないよう特に配慮を要する個人情報.

補足

  • 個人情報保護法上,取得には原則として本人の同意が必要.通常の個人情報より厳格な取り扱いが求められる.

具体例

  • 健康診断の結果,前科の記録,人種や信条に関する情報.
要配慮個人情報の図解

個人識別符号

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指紋データや顔認証データなどの身体的特徴をデジタル化した符号,旅券番号やマイナンバーなど公的な番号のうち,それ単体で特定の個人を識別できるもの.

補足

  • 個人情報保護法では,個人識別符号が含まれる情報は,それだけで「個人情報」に該当する.

具体例

  • 指紋認証データ,顔認証データ,マイナンバー,旅券番号,運転免許証番号.
個人識別符号の図解

匿名加工情報

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特定の個人を識別できないように,かつ元の個人情報に復元できないように加工した情報.

補足

  • 一定の手続き・ルールに従えば,本人の同意を得ずに第三者へ提供したり,統計・分析などに利活用したりできる.

具体例

  • 氏名や住所を削除し,年代・地域などに置き換えて集計に使う購買データ.
匿名加工情報の図解

第三者提供・委託・共同利用

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事業者が保有する個人データを外部と共有する主な3つの形態.第三者提供(別の事業者へ渡すこと,原則本人の同意が必要),委託(自社の利用目的の範囲内で外部に処理を任せること),共同利用(複数の事業者が特定の範囲内で共同して利用すること).

補足

  • 委託や共同利用は,一定の条件(委託先の監督,あらかじめの通知等)を満たせば第三者提供とはみなされず,改めての本人同意は不要となる.集めた個人情報を,あらかじめ示した目的の範囲を超えて使う「目的外利用」も,原則として本人の同意が必要.

具体例

  • ネット通販で配送業者に住所データを渡す(委託),グループ会社間で顧客情報を共有する(共同利用),提携企業へ顧客リストを渡す(第三者提供).
第三者提供・委託・共同利用の図解

ジオタグ

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写真や投稿データに付加される位置情報(緯度・経度など)を表す情報.

補足

  • 撮影場所や投稿場所が推定され,行動範囲や自宅・学校などが特定されるリスクがある.公開範囲の設定だけでなく,端末側の位置情報付与設定(カメラ,SNSアプリ)も確認する.

具体例

  • 写真のジオタグから自宅付近が判明する,イベント会場の位置が自動表示される.
ジオタグの図解

人工衛星を用いて,地上の現在位置を測位する仕組み(Global Positioning System).

補足

  • スマホの地図やナビ,位置情報ゲームなどで利用される.GPS単独だけでなく,Wi-Fiや基地局情報と組み合わせて測位精度を上げることも多い.位置情報はプライバシー性が高く,アプリへの許可設定が重要.

具体例

  • 地図アプリで現在地表示,ナビゲーション,配達の現在地共有.
GPSの図解

Social Networking Service.利用者同士が交流し,投稿や共有を通じてつながりを形成するサービス.

補足

  • 拡散が速く,投稿の削除や訂正が難しいことがある.個人情報の露出,誹謗中傷,炎上,なりすまし,詐欺,フェイクニュース拡散などのリスクがある.公開範囲,匿名性の過信,パスワード管理に注意.

具体例

  • X(旧Twitter),Instagram,TikTok,LINEのオープンチャット等.
SNSの図解

ソーシャルメディア

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利用者が情報を発信・共有し,利用者同士のつながりを通じて情報が広がるメディアの総称.

補足

  • SNSを含むより広い概念で,コメント欄,動画共有,掲示板,ブログなども含まれる.情報の信頼性確認(出所・根拠)と,発信時の責任(著作権,個人情報,誹謗中傷)が重要.

具体例

  • SNS,動画配信サービスのコメント機能,ブログ,掲示板,レビューサイト.
ソーシャルメディアの図解

デジタルタトゥー

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インターネット上に一度投稿された情報が,本人が削除した後も,他者による転載やキャッシュ,検索エンジンの記録などを通じて残り続ける現象.

補足

  • 入れ墨(タトゥー)のように消し去ることが難しいことからこう呼ばれる.拡散後の完全な削除はほぼ不可能なため,投稿前の判断が重要.

具体例

  • 一度炎上した投稿のスクリーンショットが,本人が削除した後も出回り続ける.
デジタルタトゥーの図解

典型的な攻撃・詐欺(だまし)

フィッシング

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偽のWebサイトやメールなどで,本物になりすましてID・パスワードやクレジット情報などをだまし取る詐欺.

補足

  • 送信元表示やロゴだけでは判断できない.URLの確認,ブックマークから正規サイトへアクセス,多要素認証の利用,不審な添付・リンクを開かないことが基本.SMSを使うスミッシングもある.

具体例

  • 銀行を装うメールから偽ログイン画面に誘導され,IDとパスワードを入力してしまう.
フィッシングの図解

ソーシャルエンジニアリング

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技術的な突破ではなく,人の心理や行動の隙を利用して情報を盗む手口の総称.

補足

  • 「急がせる」「不安にさせる」「権威を装う」などで判断力を下げてだます.電話,対面,メール,SNSなど手段は多い.本人確認の徹底,安易に情報を渡さない習慣が重要.

具体例

  • サポート担当を装ってパスワードを聞き出す,社員になりすまして入館する(なりすまし).
ソーシャルエンジニアリングの図解

架空請求

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利用していないサービス料金などを,事実のように請求して支払わせようとする詐欺.

補足

  • 支払ってしまうと被害が拡大しやすい.連絡を急がせる文面,法的措置を匂わせる脅し,個人情報入力の要求が典型.無視・相談(家族,学校,消費生活センター等)が基本.

具体例

  • 「有料サイト未納料金があります.今日中に連絡しないと訴訟」などのSMSが届く.
架空請求の図解

ワンクリック詐欺

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Webページ上のボタンを1回押しただけで,登録完了や料金請求が表示され支払いを迫られる詐欺.

補足

  • クリックだけで正式な契約が成立するとは限らない場合が多い.慌てて連絡したり,個人情報を入力したりしない.画面を閉じ,履歴やキャッシュの扱いに注意し,必要なら相談する.

具体例

  • 「登録が完了しました.24時間以内に支払ってください」と画面に表示される.
ワンクリック詐欺の図解

ステルスマーケティング

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広告であることを隠し,一般の感想や口コミのように見せて商品やサービスを宣伝する手法(ステマ).

補足

  • 発信者の利害関係が見えないため,受信者が判断を誤りやすい.「PR」「広告」などの表示があるか,投稿者の立場や根拠を確認する.信頼性評価(出所・目的)が重要.

具体例

  • 企業から報酬を受けた投稿者が,広告表記なしで「偶然見つけた最高の商品」と紹介する.
ステルスマーケティングの図解

スパムメール

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受信者の同意なく一方的に大量送信される迷惑メール.

補足

  • 広告目的だけでなく,フィッシングやマルウェア感染の入口になることがある.不審なリンクや添付を開かない,迷惑メールフィルタの利用,個人情報の入力回避が基本.返信して在籍確認される危険もある.

具体例

  • 大量の宣伝メールが届く,配送業者を装う偽メールが届く.
スパムメールの図解

知的財産・権利

知的財産権

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人の創作活動や営業上の工夫によって生まれた価値(知的財産)を保護する権利の総称.

補足

  • 知的財産権には,著作権,産業財産権(特許権など),育成者権などがある.無断利用は権利侵害になることがある.

具体例

  • 小説や音楽の無断転載は著作権侵害,発明を勝手に製品化すると特許権侵害.
知的財産権の図解

著作隣接権

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実演家(俳優・演奏家等),レコード製作者,放送事業者・有線放送事業者など,著作物を「伝達」する役割を果たす者に与えられる権利.

補足

  • 著作者に与えられる著作権とは別の権利として位置づけられる.無断での録音・録画・放送の利用などが問題になり得る.

具体例

  • 歌手の演奏を無断で録音して配信する,放送番組を無断で録画して公開する.
著作隣接権の図解

産業財産権

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産業やビジネスに関わる知的財産を守る権利の総称(特許権,実用新案権,意匠権,商標権など).

補足

  • 著作権と違い,原則として出願・登録が必要.技術,デザイン,ブランドを保護する.

具体例

  • 商品名のロゴを商標登録する,新技術を特許出願する.
産業財産権の図解

発明を一定期間,独占的に実施(製造・使用・販売など)できる権利.産業財産権の一つ.

補足

  • 新規性などの要件があり,出願・審査を経て成立する.公開の代わりに一定期間の独占が認められる考え方.

具体例

  • 新しい電池技術を特許化し,他社が無断で同じ仕組みを製品化できない.
特許権の図解

本人の顔や姿などの「肖像」を,無断で撮影・公表・利用されないように守る権利(人格的利益).

補足

  • 法律名として明確に一言で定義された条文があるというより,判例などで認められてきた考え方.撮影の可否だけでなく,公開・拡散が問題になりやすい.

具体例

  • 許可なく他人の顔写真をSNSに投稿する.
肖像権の図解

プライバシー権

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私生活上の情報を,みだりに公開されない権利.

補足

  • 住所,連絡先,行動履歴,交友関係など,公開されると不利益になり得る情報は特に注意.ネットでは拡散・保存されやすい.

具体例

  • 本人が公表していない住所や通院情報をSNSに書く.
プライバシー権の図解

パブリシティ権

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有名人などの氏名,肖像,キャラクター性が持つ「顧客吸引力(経済的価値)」を,無断で商業利用されない権利.

補足

  • 肖像権やプライバシー権が人格的利益の保護なのに対し,パブリシティ権は経済的利益の保護が中心.

具体例

  • 芸能人の写真を無断で広告に使って商品を宣伝する.
パブリシティ権の図解

クリエイティブ・コモンズ

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著作者が「この条件なら利用してよい」をあらかじめ示すためのライセンス(CCライセンス).

補足

  • 代表的な条件は「表示(BY)」「非営利(NC)」「改変禁止(ND)」「継承(SA)」など.利用者は条件を守れば再利用しやすい.

具体例

  • CC BYの画像を,作者名を表示して資料に使用する.
クリエイティブ・コモンズの図解

思想または感情を創作的に表現したもの.

補足

  • 単なる事実やデータそのものは著作物になりにくいが,表現の工夫(文章,構成,写真の撮り方など)があると著作物になり得る.

具体例

  • 小説,論文,写真,イラスト,楽曲,映画,ゲーム,プログラム.
著作物の図解

他人の著作物の一部を,自分の著作物の中で,必要な範囲で示して利用すること.

補足

  • 典型的な要件として「引用部分が明確」「自分の本文が主で引用が従」「必要性がある」「出所を明示」などを満たすことが重要(丸ごと転載は引用になりにくい).

具体例

  • レポートで他者の文章をかぎ括弧で示し,出典(書名,URL等)を明記して論評する.
引用の図解

著作者人格権

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著作者の人格的利益を守る権利(公表権,氏名表示権,同一性保持権など).

補足

  • 他人に譲渡できない(原則).改変されない権利(同一性保持権)などが関わり,勝手な編集や改変は問題になり得る.

具体例

  • 作者の意図に反して作品を改変して公開する,作者名を表示しない.
著作者人格権の図解

不正アクセス禁止法

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他人のID・パスワードの不正利用などの「不正アクセス行為」や,それに関連する行為を禁止し,罰則を定める法律(不正アクセス行為の禁止等に関する法律).

補足

  • 他人のアカウントでログインする「なりすまし」や,脆弱性を突いて侵入する行為が対象になり得る.また,ID・パスワードの不正取得・保管・提供,不正に入力させる要求(フィッシングに近い行為)も問題になり得る.

具体例

  • 他人のSNSアカウントにID・パスワードで侵入して投稿する,オンラインゲームで他人のアカウントに不正ログインする.
不正アクセス禁止法の図解

個人情報保護法

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個人情報を適切に取り扱い,個人の権利利益を保護するための基本ルールを定める法律(個人情報の保護に関する法律).

補足

  • 利用目的の明確化,不適正な取得・利用の禁止,安全管理措置などが重要.漏えい等が起きた場合の対応や,個人情報の取扱いに関する体制整備が問われる.

具体例

  • 名簿データの持ち出し・漏えい対策を行う,目的外利用を避ける,外部提供のルールを守る.
個人情報保護法の図解

特定商取引法

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訪問販売,通信販売,電話勧誘販売などの「特定商取引」を公正にし,消費者の利益を保護することなどを目的とする法律(特定商取引に関する法律).

補足

  • 不意打ち性が高い取引で,事業者の表示・説明義務や,クーリングオフ等のルールが整備されている.「通信販売には原則クーリングオフがない」など,取引類型ごとの違いも重要.

具体例

  • 訪問販売での契約,電話勧誘販売での契約,ネット通販での購入(返品条件の確認が重要).
特定商取引法の図解

青少年インターネット環境整備法

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青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境整備を進めるための法律(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律).

補足

  • 青少年有害情報への対策として,フィルタリングの普及・推進や,関係者(保護者,事業者等)の役割が整理されている.

具体例

  • 携帯・スマホ契約時にフィルタリングの説明が行われる,家庭でフィルタリング設定を見直す.
青少年インターネット環境整備法の図解

プロバイダ責任制限法

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ネット上の権利侵害情報について,プロバイダ等(サービス提供者)の損害賠償責任が一定条件で制限されること,および被害者救済のための発信者情報開示に関する枠組み等を定める法律.

補足

  • 誹謗中傷などの被害で「投稿者を特定して請求したい」場合に関係しやすい.一方で,発信者のプライバシーや表現の自由とのバランスが課題になる.2024年の改正(2025年4月施行)で法律名は「情報流通プラットフォーム対処法」に改められ,大規模なSNS等の事業者には削除申出への迅速な対応や運用状況の公表が新たに求められている(教科書では旧名称で扱われることが多い).

具体例

  • SNSで名誉毀損やプライバシー侵害が起き,発信者情報開示の手続が問題になる.
プロバイダ責任制限法の図解

クーリングオフ制度

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一定の取引では,契約後でも一定期間内なら無条件で申込みの撤回や契約解除ができる制度.

補足

  • 対象となる取引と期間が決まっている(例:訪問販売や電話勧誘販売など).書面だけでなく電磁的記録(メール等)で通知できる場合もある.通信販売は原則クーリングオフ制度の対象外.

具体例

  • 訪問販売や電話勧誘販売は契約書面を受け取ってから8日以内,マルチ商法や内職商法は20日以内に解約できる.
クーリングオフ制度の図解

その他の重要語

育成者権

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植物の新しい品種を開発(育成)した者に,種苗法にもとづいて与えられる知的財産権.

補足

  • 品種登録により,登録品種の種苗の生産・販売など,業としての利用を独占できる.収穫物などにも,一定の条件のもとで権利が及ぶ.著作権とも産業財産権(特許権・実用新案権・意匠権・商標権)とも別の枠組みで,知的財産権の全体像を問う出題で選択肢に並ぶことがある.産地名をブランドとして守る地理的表示(GI)保護制度とは別の制度である.

具体例

  • 新しいいちごやりんごの品種を登録し,無断で増殖・販売されるのを防ぐ.

忘れられる権利

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インターネット上に残る自分に関する過去の情報について,検索結果からの削除などを求めようとする考え方.

補足

  • 欧州の法制度や裁判例を通じて広まった比較的新しい考え方で,日本でも検索結果の削除をめぐる裁判例がある.削除を認めると表現の自由や知る権利,記録の保存と衝突しうるため,公共性・時間の経過などを考えて調整される.いったん広まった情報は完全には消せない(デジタルタトゥー)ことにも注意.

具体例

  • 過去の報道記事が検索結果の上位に出続けることについて,検索事業者に削除を求める.

メディアの分類(表現・伝達・記録)

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メディアを,はたらきによって表現メディア・伝達メディア・記録メディアの3つに分ける考え方.

補足

  • 表現メディアは文字・音声・画像・動画などの表現手段,伝達メディアは電波・通信回線・郵便などの伝える手段,記録メディアは紙・DVD・USBメモリなどの蓄える手段をいう.同じものでも着目するはたらきで分類が変わる(紙は伝達にも記録にもなる)ので,「何のはたらきに注目しているか」で判断する.

具体例

  • 表現メディア=文字,静止画/伝達メディア=電波,光ファイバ/記録メディア=紙,DVD,SDカード.

情報社会

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情報や知識が資源として重視され,情報技術が社会の仕組みの中心を担う社会.

補足

  • 社会の発展段階は,狩猟社会・農耕社会・工業社会・情報社会と説明されることが多い.情報社会では,時間と距離の制約が小さくなる一方で,デジタルデバイド,情報漏えい,フェイクニュースなど新たな課題も生じる.

具体例

  • ネットショッピング,テレワーク,オンライン行政手続き.

狩猟社会(1.0),農耕社会(2.0),工業社会(3.0),情報社会(4.0)に続く5番目の社会として日本(内閣府の第5期科学技術基本計画)で示された,仮想空間と現実空間を高度に融合させた社会の構想.

補足

  • AI・IoT・ロボットなどの技術革新を社会の課題解決(少子高齢化,災害対応,環境など)に生かし,経済の発展と社会的課題の解決の両立をめざす点が特徴.情報社会(4.0)との違いは,人が情報を探して判断する段階から,収集したデータをAIが解析して現実側にはたらきかける段階へ進む点にある.

具体例

  • センサとAIによる農作業の自動化,自動運転,遠隔医療.